The Wind from Seattle

Vol. 44

The Wind from Seattle Vol. 44

日曜日の朝、起きたらぐ~っと伸びをして、さてスタートはと軽いピアノ曲なんかをONにする。先ずはキーンと冷えたクリアなソーヴィニヨン・ブランを口にして目を閉じると、涼しげな草原の風味が口内に広がり、のど越しのフレッシュな爽快感で体がしゃきっとする。そしてその時鼻から抜ける青い葡萄の清々しい香りが今日の期待を膨らませてくれるんだ。

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最近は昔ほどびっしり詰めて仕事をしていなけど日曜日がくるとやっぱりうれしい。若い頃の時代は土曜日も働くのが当たり前だったから、その感覚が残っていてウィークエンドでも特に日曜日の開放感は格別だ。家にいるとあれこれ用事を言いつけられそうだし、外で何かいいことがありそうだからと押っ取りカメラで出かける。

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この時期の歓びはなんたって木漏れ日だね。茂る前の枝葉の隙間から陽が通り抜け、落葉樹がデザインする小紋模様が地面いっぱいに溢れていてとても美しい。

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さーっと風が吹くと、まだ成長してない小さな葉が擦れ合ってチリチリと会話するのがかわいいし、漏れた光が描く模様が次々と変化していってイリュージョンの世界にいるような不思議な感覚になる。

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坂道のロマンチックな気配が好きだ。初夏といってもたまに寒い日もあって、まだ箪笥の衣服を夏用に入れ替えるのを躊躇している。夜は気温がぐっと下がるしね。

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こんな風景をみると3回の初恋を思い出してしまう。小学5年生、中学2年生、高校1年生だったなあ。実ることはなかったけど今でも彼女たちを覚えている。最初は一年上の憧れ系、次は色白のポッチャリ系、そして「成熟しちゃった異性への恋い心」を感じたスパニッシュ情熱系で、それぞれに胸騒ぎの感覚の違いがあって、だからどれもが「初恋」なんだ。こういうのを書いているとその頃が蘇ってきてなんだかドキドキしてきた。

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このレストランの規模で、手前に大きなパン焼き窯もあって、こんなに明るくて広々としたキッチンは見たことがない。通常、厨房というと料理器具や什器が所狭しと並んでいて、料理をしている人たちの立ち振る舞いから緊張感が伝わってくる。しかしここはシェフ以下料理している人がすべて女性というのも珍しいけど、皆ニコニコと楽しげに働いているんだ。

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そして横にはキッチンと同じ位の面積で2階も含めた客席がある。とにかく光たっぷりの気持ちいい雰囲気のレストラン。味?これがまたオシャレなカジュアルフレンチのおいしい食事で繰り返し行きたくなる。 

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街を歩いているといろいろな場面に出会えてとても楽しい。人々の表情も様々で、何かうれしいことがあったのかなとか、深刻そうに本をいっぱい抱えて足早の人とか、それぞれのストーリーが通りを行き来している。

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暑くなれば日陰を歩いてウインドーショッピングもいいね。街歩きって、できれば時間を定めずに余裕をもってするのが一番。そうでないと健康にはプラスだろうけど、新しい発見とか心に留まる感動などに気がつかないよね。

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お天気よくって若葉が香り、木漏れ日きれいであなたの笑顔は特級品。まあまあ週末にこんなにいっぱいのハッピープレゼントをしてもらって、何の不満がありましょう!『時~間よー止まれ~生命(いのち)のーめまーい~のー中でー』ってねえ、『この女に賭けるー』まではいかないけど幸せな一日です、矢沢さん。

( 2015.06.12 )