The Wind from Seattle

Vol. 35

The Wind from Seattle Vol. 35

卵卵卵、、、友人の兄がニワトリを飼っていましてね、時々こちらにもお裾分けが回ってくるんです。店で売っているような一律の色でないので見て美しくて、今日はこれとこれ、明日は・・・なんて楽しんで料理もできますよね。最近入手したマクロレンズで撮ったんですが、円形が生み出す明暗の微妙な階調がしなやかに描かれて、一個一個の立体感が柔らかく表現できているのが気に入りました。

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庭に咲いた梨の花です。手入れをしてないので実が成っても精々ビワくらいの大きさにしかならないんですが、夕暮れになると薄くピンクがかった白い花びらが、反比例するかのように徐々に輝き出すんです。できるだけ目立つようにして虫の受粉を待っているでしょうか。M Monochromでこのレンズを使うと、ソフトな描写の中にもぴりっと線が際立って、そのシャープ感がなかなか気持ちいいですね。

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さて今回はフェルメール調に、とは大それた言い方なんですが、光線が魅力的に縁取っている人物の大写しを目論みました。いつでも撮れるようにと常にカメラを持ち歩くのはもちろん、新しい場所に行けば先ず全体を観察して、自分がどこに座るかを決める。光の状態だけでなく物語を感じさせてくれる贅沢な場面にはなかなか出会えないんですけどね、枠に切り取った写真を少しレタッチしてみると、望んだ雰囲気が現れてくるものもあるんです。

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同じくそんな狙いの一枚ですが、この紳士はゆっくりとカクテルグラスを口に運びながら妙齢のご婦人と語り合っていました。そこには時間が止まったかのような穏やかな雰囲気が漂っていて、彼の威厳のある優しい眼差しには、真っ当な人生を歩んできた落ち着きがありますよね。それはそうとこのカクテルは何でしょうねえ。オリーブを食べた後のマティーニ?ダイキリ?ギムレット?気になりますね。

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小さなアートギャラリーなんですが、壁の色、展示物のレイアウト、BGM、そこにいたアーティストのファッションまで、それらのチームワークで作品を盛り上げているのに感心しました。展示してあるその空間のすべてが作品の一部であるということなんですねえ。

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ニーナは最近悩んでいるんです。一緒に暮らしているポメラニアンの猛犬モウちゃんが彼女に冷たいんですよ。ニーナは彼にご飯をとられても、気持ちよく昼寝をしているときに背中に乗られて飛び跳ねられても、にっこり微笑んで許しちゃうんです。11才だから人間で言えば60くらいですかねえ。でもニーナの心は少女のように純真なところもあって、ぬいぐるみのおもちゃをくわえてしっぽを振りながら彼の所へいくんですけど、結局無視されるんですね。一体どうしたら弟と仲良くなれるんだろうってことでしょうか。それとも家の前を散歩する近所のゴールデンリトリバーの彼のことかもしれませんねえ。聞きましたが教えてくれないんです。VISOFLEXとこのレンズの初撮りは愛しのニーナにしました。

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日が落ちると裏通りはぐっと淋しくなりますよね。その上クラリネットなんかが静かな曲を奏でようものなら、別れた恋人なんていなくても、そんなのを想って胸がいたくなっちゃいませんか。ああ、そこまでは至りませんか。やっぱり私って単純。

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そして空がずっと暗くなりましてね、街全体に灯りが点り出すんです。家路を急ぐ人たちがまばらになってきて、一日中働いていたお馬さんもほっと一息。小屋に戻ってお腹いっぱいご馳走食べて早く寝れるといいですね。

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こんな場面に出くわすと想像をいっぱい巡らせてしまいます。なんかこの人怖いですね。片や、叱られて悩んでいるのでしょうか、はたまた「こんな凄いことがあったのよ!」と聞かされて「Oh my God !」なのかもしれませんね。とにかく空気が揺れている一コマには大いに興味が湧くんです。

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ふと見渡すと一際明るいスポットに目がとまったんです。天井を見てもライトが照らしているようでもなさそうですし、不思議だなあと思いながらカメラを向けました。ファインダーを覗いたその時、彼女がこちらをストレートに凝視しているのに気づいてびっくり、どっきりですよ。ここは対決せねばと臍下丹田に力をいれて踏み止まりましてね、ピントをあわせ、冷静にシャッターを切ったんです。いつもだったら「撮りましたよー、サンキュー」サインを送るんですが、今回はそれをすることなく即消えることにしましたけど。

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赤外線写真のことをもう少し知りたいと、引き出しから以前購入した特殊フィルターを取りだしました。とにかく何でも撮ってみて、特に印象深く感じるものがあるのだろうかとシャッターボタンを押し続けています。フィルターの種類、レタッチの仕方、時には少し色を付け効果を高めたりと様々な方法があるらしいですね。先ずはどんな被写体でとんな情景が赤外線写真に適しているのかを学びたいのです。撮った中から何となく物語を感じさせるこの2枚が残りましたが、どこがいい?って聞かれちゃいますとですね、う~ん?と答えに窮してしまうんです。

M8を引っ張り出して赤外線写真、そしてMACRO-ELMARIT R 60mm、VISOFLEX専用のELMAR 65mm と、最近本筋から外れてあっちへ行ったりこっちへ来たりしてますね。何だこりゃあ写真まで自分の浮草人生をトレースしちょるって?まあ意地悪言わないでくださいね。私、軸が定まらずにふらふらしてしまう性格なんです、とにかく。じゃあご機嫌よう。