The Wind from Seattle

Vol. 10

The Wind from Seattle Vol. 10

2ヶ月程前東京で撮ったこの写真を久しぶりに見て、改めてスマイルって本当にいいなと思った。そしてふと思い出したのがフランスの哲学者アランの幸福論の中の一節、「幸せだから笑顔になるのではなく、笑顔だから幸せなのだ」、そんな言葉だったか。そしてシアトルダウンタウンの人々の幸せそうな顔を見たくなった。

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秋が終わる頃にはThanksgivingの休日(感謝祭)があり、親しい人を招いて七面鳥の丸焼きや季節の食材で夕食を一緒に楽しみ、収穫を祝う。その後間もなくクリスマスの飾り付けやプレゼントの買い物で忙しくなる時期だ。このシーズンは毎日なんとなくワクワクした気分になって、歩いていても自然に笑みが浮かんでいる。

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信号待ちの彼女たちに後ろからハロー、カメラを指差し撮っていいかと目で語りかけたら笑顔でOKのシグナルを返してくれた。サンキューサンキュー、そしてびしっと飛んできた溌剌とした活気をしっかりと受け止めた。

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何を語るでもなく、歩きながら顔がゆるむのは互いの心がうまく絡み合っているのだろう。二人一緒にいれば安心感があって、うれしくて、こんな気持ちで一日が過ぎるのはいいなあ。

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知らない同士でも、目と目が合えば微笑みを交わすのは生きていく仲間同士の、親しみを表す最適の手段ではないだろうか。そしてとても温かな余韻が互いの胸に残る。 そうだ、微笑むことは自分が幸せになるばかりでなく他人をも幸せにできるのだ。

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コーヒーも菓子パンもとても美味しい店。無口だけど彼女のいつものスマイルで店内がプラス1000ワットは明るいし何と言ったって味が何倍も良くなっているんだ。この笑顔が見れれば明日も明後日も来てさ、お代わりを何杯もしてさ、コーヒー中毒になってもさ、菓子パンでメタボになってもさ、本望さ。そして「お元気でしたか...」なんて囁くように耳元で声をかけられちゃったらさ、その場に倒れて救急車でもいいんさ。

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笑いは百薬の長って言うでしょ、あ、あれは酒か。とにかく笑うのは生理的に健康効果も大らしい。副交感神経が立ち、安らぎや安心感が増し、免疫力アップや循環器疾患にも効果があると聞いたことがある。いや作り笑いでも体が活性化するらしい。彼曰く、家がなくったって、仕事がなくったって、こうしてニコッとしてれば何とかなるような気がしてくると。

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飼い主がニコニコとご機嫌が良ければ犬もうれしいもの、すこし風が冷たいけど大好きなご主人と一緒に今日も買い物のお付き合い。行き交う人々とすれ違うのも楽しいなあ。我々人間も同じで、家族や友人や知らない人でも笑顔を見ると、こちらもなんだか楽しくなってしまう。

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この街に代々住んで、と言っても小さなアパート暮らしだけど、ここら辺りは私の庭みたいなものよ、どの店も誰でも知り合いだから一日中おしゃべりが楽しいのさ、と笑顔でゴミ拾いをして「自分の庭」掃除をしているおばさんがいた。

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年末のホリデーシーズンが始まった。「ハッピーハッピー」と感謝祭を楽しみ、クリスマスそして正月と続くこの時期は人々の顔もほころんでいる。クリスマスプレゼントの大きな買い物袋を提げ、にこにこ顔で歩いているのを見ると、こちらの顔も自然にゆるむ。なるほど笑顔で幸せ気分になってきた。