元々フイルムで撮影していたそうだが、時代の流れで徐々に現像所が一つ、また一つと閉じていき、EPSON R-D1sを使うように。Scottさんが来日された際に「ライカM9はどうですか?」と尋ねられた。私は、「フルサイズに拘る必要がなければ、M8はかなりいいですよ」と、私のM8を好きなだけ使ってみてくださいと無理矢理手渡した。後日、ScottさんはM8を手に入れられて、現在に至る。ローパスレスのレゾリューション、ライカ独特の渋い色再現が気に入られたそうだ。
お気に入りのレンズは、SUMMILUX 35mm(1st)と、ELMARIT 28mm(1st)の2本。色々とお持ちではあるが、この2本をマウントすることが圧倒的に多いそうだ。これは、Scottさんが135換算で35mm付近が持つ画角を好むことにも起因する。いずれも銘玉だ。かなり使い込まれたレンズだが、2本とも良好なコンディション。
かなりモノがお好きで、数多くのレンズ・カメラをお持ちであるが、とことん実践派。手に入れられたモノの特性を踏まえて活用し、使い込まれてる印象だ。Scottさんの奥に写るのはTozai Inc.の社長、Sheila Boughtenさん。Scottさんの長年のパートナーだ。
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Scott Tsumura さん アメリカ合衆国ワシントン州ベルビュー市在住。69歳。 Tozai Inc. エグゼクティブプロデューサー。 -取材後記- 前々から「一度シアトルまで遊びに行きます」と言いながら、いきなりの取材要請、そしてご自宅まで押しかけるという、とんだ初訪問にもかかわらず、嫌なお顔一つされず、ほぼ一週間びっちりとシアトルを案内していただき恐縮しきり。「レンジファインダーな人達」というタイトルの通り、もう少しカメラやレンズ、写真に対してフォーカスするつもりだったが、どう考えてもScottさんというお人にスポットを当てた方が面白い。というわけで、記念すべき第1回目でいきなり脱線してしまった。・・・とはいえ、"らしい"締めを。 レンジファインダー使い、特にライカ使いとして見たScottさんで印象深いのは、手に持たれているカメラそしてレンズが、「必然の選択」として収まっているところだ。勿論、好みの描写であったり、モノ的な興味からという理由もあるだろうが、機材に対する思い入れみたいなものとはある種無縁である。あくまで実践で使いこなす、そんなレンジファインダーそしてライカの使い手である。実に恰好佳い。 Scottさんはお仕事の方も精力的にご活躍中だ。Tozai Inc.は業務拡大と更なる飛躍を目論んで、日本法人も近く設立予定。これからも第一線で現役、優雅に日々を過ごすおつもりなど無いようだ。心は走り始めた頃のまま。それが率直な印象である。 Scottさんblog " shot & shot " Tozai Inc. オフィシャルサイト |
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